アメリカの大学に留学したいと思われている皆様の中には、アメリカの大学の多さに驚く人もいるのではないでしょうか。誰もが知る有名大学はもちろんのこと、アメリカ各地の大学には世界中から留学生が集まっています。
そんなアメリカの大学が設立された背景には宗教が大きく関わっていることをご存知でしょうか?今回は、アメリカの有名私立大学が設立されたきっかけと、大学と宗教の関係性について、ハーバード大学を例に解説します。留学先の大学を決めるのに参考になるかもしれません。
アメリカで最初にできた大学
アメリカ最古の大学は1636年にイギリスからアメリカにやってきた人たちが中心となって設立した、ハーバード大学です。
ハーバード大学といえば、世界トップクラスの大学としても有名で、多数のアメリカ大統領や実業家など優れた人材を輩出しています。またハーバード大学設立の背景には宗教も大きく関係していました。
ハーバード大学と宗教の関係性
ハーバード大学は設立当初、地域社会におけるリーダーを養成することを主な目的としていました。
当時のリーダーは、教会の牧師が務めるのが一般的であったため、リーダーを養成するということは、そのまま宗教家である牧師を育てるという意味合いがありました。
リーダーを育てるにあたっては、何か1つの分野に優れている人よりも、知識をバランスよく備えている人のほうが重要だと考えられていました。そのため、ハーバード大学では、古くからいわゆるリベラルアーツと呼ばれる教育を展開しています。
リベラルアーツ教育はアメリカの多くの大学で見られる教育方法であり、ハーバード大学が他の大学に大きく影響を与えたことが窺えます。
ハーバード大学の転換期
牧師を養成することを主な目的としていたハーバード大学ですが、1708年に学長選挙を行ったことで、学校が大きく方向転換をすることになります。
学長選挙で選ばれた新しい学長は、それまでの宗教色の強い学校から、知識を形成するための学校へと転換することを決断しました。その結果、現在のような優れた研究を行い、多数の人材を輩出する大学へと変わっていったのです。
州立大学の成り立ち
アメリカの大学は私立大学であるハーバード大学から始まりました。一方で、西部開拓によって、どんどん新しい州が誕生していく過程で州立大学が設立されるようになりました。
州立大学は、設立当初のハーバード大学のように牧師の養成を目的としていたわけではなく、州をより豊かなものにしていくために農業や畜産、工学といった実践的な学問を学ぶことを目的としていました。
また州立大学の場合、学ぶことを望む人に対して教育の機会を与えるという役割があるため、大学のレベルも多岐に渡ります。日本の場合、国公立大学の方が私立大学よりも評価されることがありますが、アメリカの場合は州立大学の方が私立大学よりも優れているとは必ずしもみなされません。
ちなみに、イギリスからの移民がたどり着いた東部には、長い歴史を有する私立大学が多く、新しくできた州ほど州立大学が多くなっているという特徴があります。
まとめ
今回は、アメリカ有名私立大学の設立のきっかけについて解説しました。アメリカ初の大学であるハーバード大学はもともと牧師の養成を主な目的としていたため、大学と宗教の関係は密接なものであるといえます。一方で、後発の州立大学は教育の機会を増やす意味合いが強いのが特徴です。このような、大学が設立された背景を知っておくと、それぞれの大学の特色なども理解しやすくなるはずです。
参考リンク:
アメリカ留学なら栄 陽子留学研究所 ~ アメリカの大学の成り立ち
tabiyori どんな時も旅日和に ~ 世界中の学生の憧れ!アメリカ最古のハーバード大学の歴史
American View ~ 宗教的ルーツを持つアメリカの学校
アメリカ留学のための大学情報サイト by 栄 陽子留学研究所 ~ アメリカの大学の成り立ち:アメリカ大学ランキング
コラムニスト・インフォ

GPI US プログラム・コーディネーター
高校まで日本で過ごし、カリフォルニア州のコミュニティー・カレッジから大学に編入/卒業。
自分が留学で得た素晴らしい経験を1人でも多くの日本の生徒に伝えたいという思いでGPI USに入社しました。