日本とは違う?アメリカにおける国と州の関係とは

日本は同じ法律、同じ憲法の元で全ての国民が生活を送っています。これは当たり前のことのように思えるかもしれません。しかし、アメリカでは50ある州がそれぞれ独自の法律や憲法を持っていて、各州が独自性を保持しています。今回はアメリカの各州における法律の違いや、連邦政府と州政府との関係性などについて紹介します。これからアメリカに留学しようとしている人はぜひこの情報をおさえておくようにしましょう。

 

アメリカにおける州と国の関係

「アメリカにおける州は日本の都道府県と同じもの」というイメージがあるかもしれませんが、実際には全くの別ものだと言えます。日本では国が定めた憲法、法律が基本的に全ての都道府県での人々の暮らしを規定しますが、アメリカでは国全体の法律や憲法とは別に、州独自の法律や憲法が存在します。つまり各州でその州独自の法律が作れるのです。更に州の中にも、国同様に行政府、立法府、司法府が存在します。

日本の中央集権制度とは大きく異なる制度を持つアメリカですが、この背景にはアメリカの建国の歴史が関わっています。アメリカ合衆国建国以前まで遡ると、もともと各州は独立した存在でした。しかしイギリスの植民地支配から脱するために各州が連合し、それがアメリカ合衆国の原型となります。その後合衆国憲法が制定されましたが、もともと独立した存在ということもあってか、それでも現在まで州の権力がある程度維持されています。

 

現在のアメリカと州の関係は

50ある各州はアメリカ合衆国を構成する存在ですが、州政府がアメリカ連邦政府の下部組織であるわけではありません。各州にはそれぞれ主権があり、憲法において連邦政府の監督下に置かれていると規定されているわけではないのです。基本的には各州にある程度の独立性があると考えられます。ただし、合衆国憲法と各州が定める憲法や法律との間に矛盾が生じる場合は、合衆国憲法や国の法律が優先されることとなります。

ちなみに、合衆国憲法には国としてのルールなどが記載されているほかに、州政府についてのルールも記載されています。また各州にも独自の憲法があります。憲法の内容は合衆国憲法が比較的ざっくりとしている一方で州憲法は細かい内容のものとなっています。このように、国と州の関係は日本における国と県の関係とはやや異なるということを覚えておくとよいでしょう。

 

アメリカ各州の規定の違い

先に述べた通り、州ごとに憲法や法律、規定が定められているため、同じアメリカ合衆国内でも州によって異なるルールが採用されているケースがあります。

代表的には以下のケースが挙げられます。

  • 運転
  • ギャンブル
  • 税金
  • 資格
  • 祝日

では、それぞれ確認していきましょう

運転
まず、運転については州によって速度制限が異なるケースがあります。また、運転免許の取得年齢に関しても、16歳から可能な州もあれば18歳からの州もあります。中には条件付きで14歳から運転できる州もあるなど、大きな違いが見られます。ちなみに免許獲得のための試験内容も州によって異なります。

ギャンブル
アメリカというとラスベガスのカジノに代表されるように、国全体でギャンブルがOKというイメージがあるかもしれません。しかし、州によっては禁止されている場合もあります。

税金
州によって、日本でいう消費税のような税金がある州とない州が存在します。また、同じ税金であっても、税率が異なるケースもあるようです。例えばある商品をある州で買うのと、その隣の州で買うのとでは購入金額に差がでることがあります。

資格
日本の場合、資格を取得すれば日本全国で通用します。しかしアメリカの場合、活動する州の資格を取得しなければなりません。例えばある州の弁護士資格を持っていたとしても、別の州の弁護士事務所に移るのであれば、その州の資格を改めて取得する必要があるのです。

祝日
アメリカには大きく分けて2つの祝日があります。1つは国が法律で定めている法律で、もう1つは各州が州法などによって独自に定めている祝日です。日本にも都道府県によっては「県民の日」などで学校が休みになるケースがありますが、それに近いイメージです。

このように、州が違えばルールも大きく異なります。ここで紹介したもの以外にも、所持できる銃の種類や結婚などに関するルールが異なる場合があります。

 

留学生が州をまたいで引っ越したときに気をつけるべきこと

州ごとのルールの違いは、引っ越しを検討している留学生にとっては面倒なものとなります。全ての違いを把握することは難しいですが、運転免許や祝日など自分の生活に直接関係しそうなものからまず把握しておきましょう。また法律によるルールの違いとは若干異なりますが、国土が広いため国内でも時差が発生する点にも注意が必要です。州をまたいで引っ越しをする場合はこの点も確認してください。

 

まとめ

今回はアメリカにおける国と州の関係、州ごとのルールの違いについて紹介してきました。日本では馴染みのない制度ですが、各州がある程度の独自性を持っている点はアメリカの大きな特徴だと言えます。これから留学を検討される皆さんは、各州のルールの違いに注目して調べてみても面白いかもしれません。

 

参照記事:
All About アメリカの州は「独立国家」
アメリカンセンターJAPAN 米国の統治の仕組み – 州政府
アメリカンセンターJAPAN 米国の統治の仕組み – 米国の中央政府、州政府、地方政府の概要
伊藤塾 米国弁護士資格について
Bizseeds 分かりにくいアメリカの法律――州法と連邦法
公務員総研 アメリカの「州」って何?ーアメリカ国家を構成している「州制度」入門
アメリカレンタカーナビ アメリカドライブの注意点
DMM英会話Blog アメリカで生活をするなら覚悟しておくべき8つのポイント
Lighthouse ロサンゼルス ロサンゼルス旅行前に覚えておきたい!アメリカの祝日


コラムニスト・インフォ
S.K
GPI US プログラム・コーディネーター

  
高校まで日本で過ごし、カリフォルニア州のコミュニティー・カレッジから大学に編入/卒業。 
自分が留学で得た素晴らしい経験を1人でも多くの日本の生徒に伝えたいという思いでGPI USに入社しました。

   

「伝えられた事は忘れる、教えられた事は覚えている、関わった事は学びとなる。」- ベンジャミン・フランクリン