アメリカの大学で求められる論文の書き方とは?

昨今、アメリカの高校、大学に留学したいと思っている高校生や大学生、またお子さんをアメリカに留学させたいと思っている保護者の方の声をよく耳にします。検討している留学期間も、短期、1年間、大学卒業までの4年間と色々です。平成27年度の文部科学省の調べによると、高校生の3か月以上の留学は平成25年度に比べて、約8%増加している*とのことなので、そうした状況もうなずけるものがあります。

これは急速に進むグローバル化や、2020年の大学入試改革によって英語試験がよりスピーキングやリスニング重視になることも影響していると考えられています。こうした状況を踏まえて、将来のことを見据えつつ高校生の早いうちになるべく留学経験を積んでおきたいと考えている方もいるでしょう。

しかしアメリカ留学を希望する際に、留学方法を検討するのと同時に、入学後に留学生が求められることを事前に知っておくことも重要です。様々なことが考えられますが、大学留学のケースで考えた場合、重要なものの一つとして日本の大学と同様に論文の提出が求められることが挙げられます。そしてその論文はもちろん英語で記述することが求められます。

この記事では、アメリカの大学での論文の書き方や、日本とアメリカの大学の論文の違い、また、アメリカの大学の論文を書くときに気を付けなくてはいけないことなどをご紹介します。留学を検討している方の一助としてください。

「日本とアメリカの大学の論文って違うの?」
「アメリカで論文を提出しなければいけないときってどんなとき?」
「アメリカの大学の論文を書くときに気を付けなければいけないことは?」
「求められる論文のボリュームとは?」
「引用の仕方とは?」
「論文を書くときに使えるツールとは?」
「論文作成で困ったときに使える方法とは?」

などが知りたい方は、ぜひチェックしてください。

 

1. 日本とアメリカの論文の違いとは?

最も大きな違いは、盗用に対する罰則の厳しさの度合いです。もちろん日本の大学でも厳格に処されるケースはあると思いますが、アメリカの大学においては、少しでも他の論文や記事から文章をコピー&ペーストしたことが発覚した時点で、Plagiarism(盗作)とみなされます。この時点でペナルティが課せられたり、2回発覚してしまうと即退学ということもありえます。

2. アメリカの論文を提出しなければいけないときってどんなとき?

アメリカで論文提出を求められるのは、以下の状況が考えられます**。

  • 卒業のとき
  • 大学及び大学院の研究発表
  • 海外の大学及び大学院に入学するとき(特にアメリカの教育機関)
  • 海外の学校に留学しているとき
  • TOEFLやIELTSなどの資格取得をするとき

などです。

ここからは、論文を書くときの一般的な注意点について確認してみましょう。

 

3. アメリカの大学の論文を書くときに気を付けなければいけないことは?

以下のような注意点が挙げられます。日本語で論文を書く場合と重複する部分もありますが、参考にしてみてください。

  1. 不必要な繰り返し、重複した内容
  2. トピックから外れた話題
  3. 誇張された語彙(ごい)、表現の使用
  4. 不必要な修飾語
  5. 「This」の多様
  6. 頻出する文法、スペルのミス

4. 求められる論文のボリュームとは?

通常、大学では1,000~3,000語レベルのボリュームが提出論文に求められます。目安としてはA4 用紙で大体15~20枚程度なので、イントロ、本文、締めくくりの構成をしっかり考えておけばなんとか書き終えることは可能です。しかし大学ではさらに上のレベルの論文が求められることもあります。例えば大学での卒業論文では文字数にして10,000語以上のボリュームが必要になります。A4用紙にして70ページ近くになることもあります。こちらは後述するチューター制度などをうまく活用しながら対応していく必要があります。

5. 引用の仕方とは?

「引用」にまつわる英語表現***は、論文を書くときによく利用されますので事前に抑えておきましょう。

According to A,…
Aによると、~
A states that…
Aは~と言っている
A mentions that…
Aは~と言及している
A indicates that…
Aは~と示唆している

他にも「論文の目的を述べる」「比較する」「表で示す」「例をあげる」英語表現は論文作成時に多用されますので、興味のある方は定番の表現を調べてみてください。

 

6. 論文を書くときに使えるツールとは?

「自分の書いている英文が文法的に正しいのかどうかわからない」、そう悩んでいる方も多いのではないでしょうか。そんな悩みを解決してくれるのが、英文法チェックソフトです。

  • 英文法チェックソフト:Ginger(ジンジャー)
    一昨年ほど前に日本向けにリリースされ話題になりました。無料の英文法チェックソフトでは一番有名かもしれません。文法、スペルチェックや、文意を読み取ったうえで構成してくれる機能も提供しています。こちらは基本無料で、有料版では文章の読み上げ機能、学習機能がついてきます。チェックだけなら完全に無料で利用できます。
  • 英文校正ツール:Grammarly(グラマリー)
    「Grammarly(グラマリー)」もおススメしたい英文チェックサービスです。英文を書く機会が多い方はもうすでにご存じで利用しているかもしれません。無料版と有料版がありますが、無料版でも十分価値があります。リリースされてからもうすぐ10年を迎えるほど以前から提供されているサービスですが、最近のバージョンではさらに性能がパワーアップしています。
    Grammarlyでは250以上の文法ルールをもとに、英文を自動校正してくれます。スペルチェックや冠詞、前置詞のチェックはもちろん、冗長な言い回しの指摘や盗用度チェックまで行ってくれるとても便利なツールです。

 

7. 論文作成で困ったときに利用できる方法とは?

まずアメリカの大学には日本の大学同様にチューター制度があります。特定の科目でわからないことがあると、同じ科目を取っている学生やその分野を専攻している優秀な上級生が、家庭教師のように個別指導してくれます。この制度を利用するのにはお金がかかりません。

アメリカの大学では構内のAcademic Learning Centerという場所(大学によっては名前が異なります)で「この科目のチューターを探してほしい」とお願いすると、適任の学生をチューターとして紹介してくれます。また数学などでは、わからない宿題があればアポなしで自由に質問できるような数学専攻のチューターが常時待機している場所を提供しているところもあるようです。

また、チューター制度のほかに、教授のオフィスアワーというものがあります。こちらも日本の大学で実施されていますが、アメリカの大学でも教授が週に何度か「この時間ならアポなしで、いつでも相談にのりますよ」というオフィスアワーを設けています。その時間帯は学生が質問できやすいように、オフィスのドアを開けっぱなしにして教授自ら授業の相談にのってくれます。

 

まとめ

この記事ではアメリカの大学での論文の書き方や注意点、求められる論文のボリュームなどをご紹介してきました。

アメリカの大学では論文やレポートの書き方などを指導する授業があるほど徹底しています。これは、指導する必要があるほど、ネイティブスピーカーにとっても英語の論文を執筆するのは難しく、ハイレベルな知識や技術が求められるということの裏返しであるともいえます。ましてや英語を母国語としない者にとって、英語で論文を書くということはより難易度の高い挑戦であるといえるかもしれません。

しかしこうして執筆された英語の論文は、捧げた労力の結果として生まれる学習や研究の集大成でもあります。このような経緯を経て仕上げられた論文に対して高評価をもらえた時の充実感はきっとかけがえのないものとなりますので、皆さんもぜひチャレンジしてみてください。

 

参照:
*アメリカ高校留学のすべて!留学費用や授業内容、ビザ申請や手続きの方法を解説
**【保存版】海外大学卒業生が教える英語の論文(エッセイ)の書き方
***英語の論文・レポートの書き方(表現・構成)の基本ルール

 


コラムニスト・インフォ
S.K
GPI US プログラム・コーディネーター

  
高校まで日本で過ごし、カリフォルニア州のコミュニティー・カレッジから大学に編入/卒業。 
自分が留学で得た素晴らしい経験を1人でも多くの日本の生徒に伝えたいという思いでGPI USに入社しました。

   

「伝えられた事は忘れる、教えられた事は覚えている、関わった事は学びとなる。」- ベンジャミン・フランクリン